トランス脂肪酸、「狂った油」から身を守るには|ついにアメリカで使用禁止へ

マーガリン

食品に含まれる「トランス脂肪酸」、何年も前から危険性が指摘されていますが、まだそれほど一般に広まっていないように思います。あなたはトランス脂肪酸が、害でしかない油であることを知っていますか?
以前にも、「トランス脂肪酸って体に悪い|噂はほんと?」でも紹介しましたが、今日は注意喚起の意味もあり再度、紹介します。

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トランス脂肪酸って何?

トランス脂肪酸には2種類あります。

<天然のトランス脂肪酸>

主に牛肉、羊肉、牛乳、乳製品に含まれます。
牛や羊などの反芻動物では、胃の中の微生物の働きによってトランス脂肪酸が作られます。

<人工のトランス脂肪酸>

植物油に水素を添加して(部分水素添加油脂(partially hydrogenated oils =PHOs)」)固体化・粉末化していく過程で生成される副産物です。

また、植物油を精製する工程で好ましくない臭いを取り除くために高温で処理を行う際に、トランス脂肪酸が生成されるためサラダ油などの精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれています。

今、問題とされているのは人工のトランス脂肪酸です。
トランス脂肪酸はLDLコレステロール(悪玉コレステロール)を増加させHDLコレステロール(善玉コレステロール)を低下させることが分かっています。動脈硬化を促進させ、心筋梗塞や狭心症といった心臓疾患のリスクを高めます。

他にも、肥満、気管支ぜんそく、アレルギー性鼻炎、アトピー性皮膚炎といったアレルギー疾患の疾患率を上昇させたり、ガン、免疫機能、認知症、不妊、流産、パーキンソン病などへの影響が報告されています。

トランス脂肪酸を含有する食品

もっとも問題とされるのが、「部分水素添加油脂(partially hydrogenated oils =PHOs)」で、これを原料とするのがマーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、クリームなどの食品です。

<マーガリン>

バターの代替としてつくられた食品で、植物性油脂・動物性油脂を原料とする加工食品です。油脂含有率が80%を超えるものをマーガリン、80%未満のものをファットスプレッドと呼び区別されています。マーガリンの中には、100g当たり10g以上もトランス脂肪酸が含まれているものがあります。

<ファットスプレッド>

ファットスプレッドは、マーガリン類に属しますが油脂含有率が80%未満のものを指します。日本で家庭用のマーガリンとして販売されているものの多くはファットスプレッドで、マーガリンよりも水分が多く柔らかいため塗りやすく、また風味原料と呼ばれる果実、果実加工品、チョコレートの味を付たものなどもあります。

<ショートニング>

ショートニングは、米国でラードの代用品として開発された食用油です。常温で半固形状の油脂で、マーガリンから水分と添加物を除いて純度の高い油脂にしたものです。クッキーやビスケットなどの焼き菓子やパンに練り込んだり、アイスクリームに添加したり、フライ用の揚げ油として使われます。菓子などに使うと、さっくりと焼き上がり、揚げ油に使用すると衣がパリッと仕上がります。

<その他>

植物性油脂を使ったホイップクリームや、コーヒーに付いてくるクリーム(コーヒーフレッシュ)などがあります。

 

<最終製品例>

•ケーキ

•パン類

•パイ

•ピザ

•クッキー

•ビスケット

•チョコレート菓子

•ラクトアイス

•コーヒークリーム(フレッシュ)

•ドーナツ

•ポテトチップス

•スナック菓子

•カップラーメン

•インスタント食品

•冷凍食品

•カレーやシチューのルー

•マヨネーズ

•揚げ物全般

 

世界的動向

アメリカでは2006年から食品ラベルにトランス脂肪酸の含有量表示が義務付けられていましたが、アメリカ食品医薬品局(FDA)は2015年6月16日に、部分水素添加油脂(partially hydrogenated oils =PHOs)」の食品への添加を3年以内に全廃すると発表しました。

FDAは2013年に規制案を示し科学的妥当性を調べてきまさしたが、食品への使用に関し「一般的に安全とは認められない」と結論付け、2018年以降、食品への使用が禁止されることになります。

ヨーロッパでは100g当たり2g以上のトランス脂肪酸を含む油脂の国内流通を禁止している国もあります。欧米に比べて油脂の摂取が少ないといわれているアジアでも、韓国と台湾ではすでに含有量表示が義務化されています。

WHO(世界保健機関)も、トランス脂肪酸の摂取を抑えるべきだとして、1日当たりの総エネルギー摂取量の1%未満とすることを勧告しています。日本人の場合、1日当たりの総エネルギー摂取量を2000キロカロリーとすると、トランス脂肪酸の摂取量は2g未満が目標値となります。

※対象となるのはあくまでも「部分水素添加油脂(PHOs)」であり、トランス脂肪酸ではありません。トランス脂肪酸はPHOsに多く含まれますが、肉や乳製品等にも微量に含まれ植物油の精製脱臭工程でもわずかに生成されます。同じトランス脂肪酸でも、乳製品に含まれるものは量的に少なく代謝しやすい構造のため、問題ありません。今回の規制は「部分水素添加油脂(PHOs)」のみで、天然由来(反芻動物由来)のトランス脂肪酸含有の油脂は規制の対象外です。

 

日本政府の対応は

日本では規制どころか食品への表示も、いまだに義務付けられていません。
2009年から何度も検討されていますが、そのたびに見送られてきました。「日本人の食生活では1日の平均摂取量は0.9g前後で健康への影響は少ない」というのがその理由です。しかし、食生活が大きく変化してきた現在の日本でも同じことが言えるでしょうか?若者を中心にトランス脂肪酸の摂取量は大幅に増えていると思いませんか?

フライドポテト1個、スナック菓子1袋で基準値を超える

ファーストフード店の定番商品であるポテトフライは、Mサイズ(135g)で4.5gものトランス脂肪酸が含まれています。コンビニなどで売られているスナック菓子には1袋に約2g、菓子パンの中には、1個あたり4g以上のトランス脂肪酸が含まれているものがあります。

このようにトランス脂肪酸は身近な食品に使われていて、日本人でも現在の環境ではすぐに摂取量の上限を超えてしまいます。

トランス脂肪酸から身を守るには

残念ながら今の日本では、自分で対策をしなくてはトランス脂肪酸の摂取量を減らすことはできません。
食品表示を見て「マーガリン」、「ショートニング」、「植物油脂」、「加工油脂」と記載のあるものは避けましょう。

<バターを使う>

トーストには、マーガリン類ではなくバターを使いましょう。
また、お菓子作りをする際もマーガリン、ショートニングではなくバターを使いましょう。

<おやつは和菓子もしくは手づくり>

大福やお団子、饅頭などには、ほとんどトランス脂肪酸は含まれていませんので洋菓子よりも和菓子を選ぶようにしましょう。洋菓子であれば、バターを使った手づくりのものを選びましょう。

<植物油は未精製のものを>

植物油は抽出法ではなく、圧搾法のものを選びましょう。キャノーラ油、ピーナッツ油、オリーブオイル、ココナッツオイルなどを選ぶようにしましょう。

<外食、スーパーの惣菜に注意>

どんな油が使われているか分からない揚げ物は選ばないようにしましょう。


今日のおさらい

レ点3 トランス脂肪酸には2種類あり、天然のものと人工のものがある

レ点3 問題とされるのが、「部分水素添加油脂(partially hydrogenated oils =PHOs)」

レ点3 「PHOs」はマーガリン、ファットスプレッド、ショートニング、クリームなどの原料

レ点3 精製した植物油にも微量のトランス脂肪酸が含まれている

レ点3 海外では規制の動きが広まっている

レ点3 フライドポテト1個、スナック菓子1袋で基準値を超えるものもある

レ点3 今の日本では、自分で対策をしなくてはトランス脂肪酸の摂取量を減らすことはできない

今日は、「トランス脂肪酸」について学んできましたが、いかがでしたでしょうか?
海外ではトランス脂肪酸の摂取量を減らそうと、さまざまな努力をされていますが日本政府はまだまだ無関心のようです。それか、対策を取れない理由があるのでしょうか?

トランス脂肪酸が怖いと思っても、今の日本では自分で気を付けるしか方法がありません。しかし、良心的な企業の中ではトランス脂肪酸を使用しない、減量するように努力しているところもあります。

セブン&アイ・ホールディングスでは、2005年からトランス脂肪酸の低減に取り組んでいるようです。定番人気の「いちごジャム&マーガリン」では、100g当たり1.86gあったトランス脂肪酸を0.18gまで低減されています。
詳しくはこちらをご覧ください(セブン-イレブン)

今後、セブン&アイ・ホールディングスのような企業努力が広がっていけば、日本でも規制や表示義務といった動きへ変わっていくことになるかも知れませんね。

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