食品添加物とは「食品添加物の安全性」|基礎知識⑧

前回、「食品添加物とは[甘味料]|基礎知識⑦」で甘味料について勉強しましたが、今日は“食品添加物の安全性”について紹介します。

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食品添加物の指定

食品添加物は人の健康を損なうおそれのないもので、厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めたもので、指定されるためには以下のような要件があります。

食品添加物の指定の要件
1.国際的に安全が実証または確認されているもの
2.国際的に広く使用されているもの
3.科学的な検討が可能な資料が整っているもの
4.使用により消費者に利点を与えるもの

①食品の製造、加工に必要なもの(乳化剤・にがり・膨張剤)
②食品の栄養価を高めるもの(栄養強化剤)
③食品の品質低下を防止するもの(保存料・殺菌剤・酸化防止剤)
④食品の風味や外観をよくするもの(着色料・甘味料・酸味料)
⑤食品の品質を向上させるもの(品質改良剤)
5.原則として化学分析等により、その添加を確認し得るもの

安全性試験

食品添加物は毎日食べる食品に含まれているため、多くの人が少量ではあっても長期に摂取することになります。従って、食品添加物の毒性、特に長期毒性や発がん性については医薬品以上に厳密に確認されています。食品添加物の安全性を確保するために、様々な安全性試験が行われています。

食品添加物の安全性試験
一般毒性試験28日反復投与毒性試験実験動物に一定期間繰り返し与えて生じる毒性を調べます
90日反復投与毒性試験
1年間反復投与毒性試験
特殊毒性試験繁殖試験実験動物に二世代にわたって与え、生殖機能や新生児の生育 に及ぼす影響を調べます
催奇形性試験妊娠中の母体に与え、胎児の発生、発育に及ぼす影響を調べます
発がん性試験ほぼ一生涯にわたって与え、発がん性の有無を調べます
抗原性試験実験動物でアレルギーの有無を調べます
変異原性試験細胞の遺伝子(DNA)や染色体への影響を調べます

一日摂取許容量及び使用基準の設定

安全性試験の結果に基づき、実験動物に害を及ぼさない食品添加物の最大無毒性量が求められます。人が食品添加物を毎日摂取しても障害が起こらない体重1kgあたりの量すなわち一日摂取許容量(acceptable daily intake,ADI)は、毒性試験から得られた最大無毒性量に安全係数を乗じて算出されます。

安全係数は種差、個人差を考慮した数値で、通常1/100が用いられます。また、様々な食品から食品添加物を摂取しても、摂取量が一日摂取許容量を超えないように、食品添加物に使用基準が設定されています。

例)保存料の使用基準

物質名対象食品使用料備考
安息香酸キャビア2.5g/kgマーガリンにあっては、ソルビン酸、ソルビン酸カリウム、ソルビン酸カルシウム又はこれらのいずれかを含む製剤を併用する場合は、安息香酸としての使用量およびソルビン酸としての使用量の合計が1.0g/kg以下
マーガリン1.0g/kg
清涼飲料水
シロップ
しょうゆ
0.6g/kg
安息香酸ナトリウム菓子の製造に用いる果実ペースト(果実をすり潰し、又は裏ごししてペースト状にしたもの)
菓子製造に用いる果汁(濃縮果汁を含む)
1.0g/kg

<一日摂取量調査>
厚生労働省は食品添加物の摂取量を把握するために、マーケットバスケット方式による一日摂取量調査を実施しています。

マーケットバスケット方式とは、スーパー等で売られている食品を購入して調理後、その食品に含まれている添加物量を測り、一日摂取量を求めるものです。平成24年度の調査結果では、20歳以上の摂取量は以下のとおりで、JECFAで設定した一日許容摂取量(ADI)と比べ少なく、安全性上問題ないことが確認されています。

例)一日摂取量の比較(20歳以上)

用途対象物質名マーケットバスケット方式での算出摂取量
(mg/人/日)⒜
JECFA ADI
(mg/kg 体重/日 )
20歳以上平均体重(58.9kg)で換算したADI(mg/日)⒝対ADI比
             ⒜/⒝(%)
保存料安息香酸1.1260- 52930.384
ソルビン酸5.9510-2514650.406
着色料ノルビキシン0.0160-0.6350.044
食用赤色3号0.0040-0.160.070
食用赤色102号0.0250-42340.011
食用黄色4号0.2240-7.54400.051
食用黄色5号 0.0120-2.51470.008
食用青色1号0.0040-12.57330.000

 ※JECFA:FAO/WHO合同食品添加物専門家委員会(FAO/WHO Joint Expert Committee on Food Additives = JECFA)は、FAOとWHOが組織する国際食品規格委員会の諮問機関の一つとして1955年に設立されました。

毎年1回以上選出された食品添加物の専門家が会合し、参加各国より提出された資料に基づいて、食品添加物やその周辺物質の規格や安全性試験結果の評価を行って公表しています。

輸入食品及び流通食品の検査

食品に使用された添加物が、定められた使用基準に適合しているかの検査が行われています。輸入食品については輸入時に検疫所や登録検査機関で、また卸売市場、スーパー、小売店などで国内に流通する食品は都道府県知事が設置した食品衛生検査施設などによって検査が行われています。

検査の結果、規格基準に適合しない違反食品は回収、廃棄、積戻しなどの処分が行われ、国内に流通しないようにされ、食品の安全性が確保されています。なお、違反食品の情報や検査結果等は厚生労働省や地方自治体のホームページで参照できます。


今日のおさらい

レ点3 食品添加物は厚生労働大臣が薬事・食品衛生審議会の意見を聴いて定めたもの
レ点3 毒性、特に長期毒性や発がん性については医薬品以上に厳密に確認されている
レ点3 一日摂取許容量(ADI)及び使用基準が設定されている

今日は“食品添加物の安全性”について学んできましたが、いかがでしたでしょうか?
安全性について厳しく検査・さまざまな試験をされています。食品添加物に限らず、一般の食材でも食べ過ぎると毒になるものは山ほど存在します。結局のところ、バランスの良い食生活を心掛ければ多量に摂取することはないと思います。

ただ、長期的に摂取するわけですからむやみに摂取することは避けたほうが良いでしょう。また、アレルギーを起こす添加物もありますのでアレルギー体質の人は注意が必要です。

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