食品添加物とは「食品添加物の表示」|基礎知識③

前回、「食品添加物とは|基礎知識②」で食品添加物の役割について勉強しましたが、今日は食品添加物の表示について紹介します。

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食品添加物の表示ルール

容器包装に入れられた加工食品では、原則として、使用したすべての添加物名を、容器包装の見やすい場所に記載する必要があります。
JAS法では、一括表示の原材料欄に、食品添加物以外の原材料と食品添加物に区分し、重量の割合の多い順に使用したすべての原材料を記載することになっています。

表示方法の工夫

食品添加物は、原則として物質名を表示することになっていますが、中には添加物の物質名(化学名)では一般に馴染みが薄く、逆に分かりにくくなる場合もあります。

例えば、ビタミンCの化学物質名は「L-アスコルビン酸」ですが、一般には、「ビタミンC」や「V.C」と書いた方が分かりやすいと思います。
そこで、添加物の品名(名称及び別名)、簡略名及び類別名を定め、添加物を表示する場合は、これらの名前を使用することとしました。

 例)

化学物質名 簡略名・類別名
L-アスコルビン酸 アスコルビン酸、ビタミンC、V.C
炭酸水素ナトリウム 重曹
硫酸アルミニウムカリウム ミョウバン
ビートレッド アカビート、野菜色素

用途名と併記する添加物

保存料や甘味料など8種類の用途に使われるものは、消費者の選択に役立つ情報として、その用途名を併せて表示することになっています。

※これは合成添加物と天然添加物の両方に義務付けられています。
 

用途名 表示例
甘味料 甘味料(サッカリンNa)
着色料 着色料(アナトー/またはアナトー色素)
保存料 保存料(安息香酸Na)
増粘剤、安定剤、ゲル化剤または糊料 増粘剤(キサンタン)、安定剤(CMC)、ゲル化剤(カラギナン)、糊料(グァー)
酸化防止剤 酸化防止剤(エリソルビン酸Na)
発色剤 発色剤(亜硝酸Na)
漂白剤 漂白剤(亜硝酸塩)
防黴剤 防かび剤(OPP)

※添加物の物質名の表示中、「色」の文字を含む場合は、着色料、「増粘」の文字を含む場合は増粘剤又は糊料の用途名表示を省略することができます。

※甘味料のうち、「アスパルテーム」においては、「L-フェニルアラニン化合物」である旨を併記します。

※「既存添加物名簿収載品目リスト」及び「一般飲食物添加物品目リスト」の用途欄に増粘安定剤と記載された多糖類を複数で使用する場合は、「増粘多糖類」という簡略名が使用できます。この増粘多糖類を「増粘剤」として使用する場合は、用途名の「増粘剤」を省略することができます。

一括名で表示できる添加物

添加物表示は個々の物質名を表示するのが原則ですが、下記の14種類の用途で使用する場合には、使用の目的を表す「一括名」で表示することが認められています。

例えば、微量の物質を調合して作られる食品用香料は、配合した物質全てを表示するよりも、「香料」と表示した方がわかりやすくなります。

イーストフード 塩化アンモニウム、塩化マグネシウム、グルコン酸カリウムほか 一般的に、パン酵母として知られています。
パンやお菓子を作るときに欠かせません。
ガムベース エステルガム、グリセリン脂肪酸エステル、酢酸ビニル樹脂ほか チューイングガムのベースとして使用します。
かんすい 炭酸カリウム(無水)、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウムほか 中華麺のしこしこした食感や色を与えるために使用します。
苦味料 イソアルファー苦味酸、カフェイン(抽出物)、ホップ抽出物ほか 食品に苦味を与えるために使用されます。
酵素 アガラーゼ、アクチニジン、アクロモペプチダーゼほか 食品を製造するにあたり、幅広い用途で使用されています。
光沢剤 オウリキュウリロウ、カルナウバロウ、カンデリラロウほか 食品につやを与えるために使用します。
香料又は合成香料 アセト酢酸エチル、アセトフェノンほか(及び天然香料) 食品に香りや香味を与えるために使用します。
天然香料と合成香料がありますが、これらを複数組み合わせて使用されます。
酸味料 アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウムほか 食品に酸味を与えるために使用します。
クエン酸や乳酸などがあり、ジャムやキャンディーに使用されています。
軟化剤(チューインガム軟化剤) グリセリン、プロピレングリコール、ソルビトール チューイングガム独自の柔らかさを与えるために使用されます。
調味料(その構成成分に応じて種類別を表示)  調味料(アミノ酸)、調味料(アミノ酸等)  調味料(核酸)、調味料(核酸等)  調味料(有機酸)、調味料(有機酸等)  調味料(無機塩)、調味料(無機塩等) アミノ酸:L-アスパラギン酸ナトリウム、DL-アラニンほか 核酸:5′-イノシン酸二ナトリウム、5′-ウリジル酸二ナトリウムほか 有機酸:クエン酸カルシウム、クエン酸三ナトリウムほか 無機塩:塩化カリウム、リン酸三カリウムほか 食品にうまみを与えるために使用します。
もともと食品に含まれているものが多く、L-グルタミン酸ナトリウムやコハク酸などがあります。
お菓子やだしの素などに使用されています。
豆腐用凝固剤又は凝固剤 塩化カルシウム、塩化マグネシウム、グルコノデルタラクトンほか 豆腐を作るときに使用されます。
塩化マグネシウムや硫酸カルシウムなどがあります。
乳化剤 グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステルほか 混ざりにくい液体同士(水と油など)を均一に混ぜ合わせるために使用します。
グリセリン脂肪酸エステルがありますが、ドレッシングがマーガリンに使用されています。
水素イオン濃度調整剤又はpH調整剤 アジピン酸、クエン酸、クエン酸三ナトリウムほか 食品のpHを適切な状態に調整するために使用されます。
乳酸、クエン酸などがあり、ジュースやドレッシングに使用されています。
また、他の食品添加物の能力を高める役割もします。
膨脹剤、膨張剤、 ベーキングパウダー、ふくらし粉 アジピン酸、L-アスコルビン酸、塩化アンモニウムほか ケーキやパンを膨らませるために使用します。
代表的なものとして、重曹(炭酸ナトリウム)があります。

 

表示が免除される添加物

栄養強化の目的で使用される添加物と、加工助剤、キャリーオーバーに該当する添加物は、表示が免除されています。

※栄養強化目的で使用した添加物であっても、JAS法に基づく個別の品質表示基準で表示義務のあるものについては、表示が必要となります。
 

<栄養強化の目的で使用されるもの>

栄養強化の目的で使用されるビタミン類、ミネラル類、アミノ酸類については、表示が免除されています。
※同じ添加物でも、栄養強化の目的以外で使用する場合は、表示する必要があります。

例) L-アスコルビン酸を

栄養強化の目的で使用する場合 → 表示免除

酸化防止剤として使用する場合 → 「酸化防止剤(ビタミンC)」と表示

 

<加工助剤>
食品の加工の際に添加されるもので次の3つに該当する場合は、表示が免除されます。

1.食品の完成前に除去されるもの
例)油脂製造時の抽出溶剤であるヘキサン

2.最終的に食品に通常含まれる成分と同じになり、かつ、その成分量を増加させるものではないもの
例)ビールの原料水の水質を調整するための炭酸マグネシウム

3.最終的に食品中にごくわずかな量しか存在せず、その食品に影響を及ぼさないもの
例)豆腐の製造工程中、大豆汁の消泡の目的で添加するシリコーン樹脂

 

<キャリーオーバー>
原則として、食品の原材料に使用された添加物についても表示する必要がありますが、原材料の製造又は加工の過程で使用され、その食品の製造過程では使用されないもので、最終食品に効果を発揮することができる量より明らかに少ない場合は、表示が免除されます。

 例)
 1.保存料の安息香酸を含む醤油で、せんべいの味付けをした場合、この安息香酸は含有量が少なく、せんべいには効果を持たない。
→ キャリーオーバーとなり、表示の必要はありません。

2.着色料を使ったメロンソースをメロンアイスに使用した場合、最終製品にも色としての効果がある。
→ キャリーオーバーとならなず、表示が必要です。

3.発色剤を使用したハムをポテトサラダに入れた場合、ハムはそのまま原型を止めている。
→ キャリーオーバーとならなず、表示が必要です。

 

<小包装食品・バラ売り食品への表示>

小さな包装に入っている食品は、表示面積が狭い為に表示できないという理由で免除されています。

店頭でバラ売りをする食品については、包装されていない為に表示することが困難だという理由で、表示が免除されています。

※防かび剤として使用されるイマザリル、オルトフェニルフェノール、ジフェニル、チアベンダゾール及びフルジオキソニルと、甘味料のサッカリン及びサッカリンナトリウムについては、バラ売りであっても売り場に表示をしなければなりません。


今日のおさらい

レ点3 容器包装に入れられた加工食品では、原則として使用したすべての添加物名を表示
レ点3 物質名ではなく、簡略名・類別名で表示されるものもある
レ点3 保存料や甘味料などは、その用途名を併記する
レ点3 一括表示が認められている添加物もある
レ点3 表示が免除される添加物もある

今日は食品添加物の表示について学んできましたが、いかがでしたでしょうか?
中には、表示の免除が認められているものがありましたね。 食品に含まれている添加物が表示されていないなんて、私たち消費者にとってはとても不安になる話ですよね。

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